石巻あゆみ野駅前にあるあゆみ野クリニックでは漢方内科・高齢者医療・心療内科・一般内科診療を行っております。*現在訪問診療の新規受付はしておりません。
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投稿日時:2025/06/12私は医師なので、鍼も灸も出来ます。はり師、きゅう師の免許を定めた通称「あはき法」の冒頭は「医師以外のものでこれこれという業を行うときは」と始まるからです。つまり医師は始めからOKと言うことです。しかし残念ながら殆どの医師は鍼灸の知識も実習も受けていません。いくら医師免許があれば鍼を打てると言っても、十二経絡自体知らない人間が実際に鍼を打てるわけではないです。
私は中医学を習いましたので、経絡弁証のイロハは勉強しました。ぎっくり腰の急性期の患者なんか、鍼はまさに著効を示します。ああいう急性期の置鍼は決まり切っていますから、難しい弁証(中医学の診断)は要らないのです。
ぎっくり腰の急性期にはまず金門に鍼を刺しますが、同時に手の甲にある腰痛点、背中の下側にある腎輸、さらには膝の後ろの委中などに同時に置針します。急性期は捻鍼した方が効果があります。鍼をぐるぐるっと回転させるのです。これは慢性期にやるとよくない事もありますが、急性期にはこうした方が効果が上がります。
と言ったことを知っている医師はごく稀です。ぎっくり腰の患者は普通整形外科を受診するでしょうが、多くの整形外科医は鍼灸師を商売敵と思っていますから、自分で鍼治療なんか覚えないんです。
制度上の問題もあります。医師が鍼を打つのは法的に全く問題ありませんが、鍼治療が保険適応になるためには医師が同意書を書いてそれに基づいて鍼灸師が鍼を打つ場合に限られます。それ以外は自由診療になります。ですので当院に「ついさっきぎっくり腰になった」という患者さんに上記のような鍼治療を行っても、保険診療として受けてしまうとその針治療代は請求できません。仕方ないので腰痛だから腰椎のレントゲンを撮って埋め合わせをします。腰痛症という病名で腰椎のレントゲンを撮るのは保険上問題ないからです。本来なら医師が鍼治療することは認められているのだから、鍼治療に対してなんらかの保険点数が設定されるべきなんですが、それには鍼灸師が横やりを入れるわけです。どうせ鍼治療できる医者なんか極僅かなんだから、目くじら立てるほどじゃないと思うんですけど。 -
投稿日時:2025/06/12標準治療に基づけば風邪は誰が診療しても同じだという主張に反論して。
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投稿日時:2025/06/12
京浜病院院長の熊谷賴佳医師は「風邪の治療はエビデンスに基づけば誰がやっても同じだ」と主張しています。本当にそうでしょうか。二人の「風邪」を主訴としてきた患者さんの例を紹介します。
鼻水と咳がひどいというAさんが掛かりつけを受診し、コロナの検査が陰性だったので「風邪」と診断され風邪薬を出されたが改善しないため当院を受診しました。採血、レントゲンなどでマイコプラズマ肺炎と判明しましたが、その採血結果を見て私はただちにその患者を基幹病院に送ったのです。最近本人が当院に来て「白血病を早く見つけて戴いて、命拾いしました」と。風邪をどれほど注意深く診療しなければならないか、私自身改めて胸に刻んだ一例でした。
Bさんは日頃は丈夫な漁師です。「風邪で他院を受診し、葛根湯を貰ったが良くならない」と言って当院に受診しました。ひたすら怠く、身体が冷えるといいます。前医は採血して「白血球が1万を超えている」と説明したが、他にはなにも所見がないため葛根湯を出したそうです。患者はともかく怠いとうずくまっています。脈は沈弱。冷や汗をかいている。急に発熱するときの悪寒ではなく「身体が芯から冷たい」と訴えます。実際体温は36℃丁度しかありません。そこで「あなたは数日前から具合が悪いのに無理をして漁に出ていたから、一気に体力が奪われたのです。この薬(麻黄附子細辛湯)を飲むとあなたは高熱が出るはずだから明日また来なさい」と言って帰しました。Bさんは翌朝受診し、38℃の熱が出たといいます。レントゲンを撮ると肺炎になっていましたのでただちにペニシリンを開始ししました。これは漢方で言う少陰直中を回陽救逆したのです。肺炎になっていれば本来起こるはずの高熱や咳、痰が体力、免疫力が落ちていたために起きず、一見なにも症状が無いように見えたのです。こう言うときは麻黄附子細辛湯で一気に体力(漢方で言う「貴」)を引き上げれば、本来の症状が出るのです。風邪、侮るべからずです。 -
投稿日時:2025/06/08ご自分の症状についてネットで検索して「私はこう言う病気ですからこの薬をください」という初診患者は全例お断りしています。
素人と専門家は、違うんです。ある分野の専門家は他の分野の専門家の価値が分かりますが、どの分野に於いても専門的知識を持たない人は、専門家というものの価値が分からないのです。そういう人に振り回されるのは、迷惑なだけです。
今は、ありとあらゆる情報がネットに溢れていますが、どの分野に於いても、自分にその分野に於ける体系的に学んだ基礎知識があるかどうか、そこが問題なのです。その分野について体系的に基礎知識を学んでいないのにネットに溢れる情報に振り回される人は、つまり振り回されいるだけです。それは、ご自分がある分野について体系的に基礎を学んだ方は分かるはずですが、そうでないひとはそのちがいがわからないのです。だから「自分はネットでたくさん情報を見たから、医者のあなたより医療医学の問題について自分の法が正しい判断が出来る」とか言い出すのです。それは要するに、体系的な基礎知識が無い故の誤りに過ぎないのです。 -
投稿日時:2025/06/05不妊症に対して漢方が出来ることは、ひたすら気血水の循環を整えるだけだ。それ以上のことは出来ない。産後の不調というのは、日々患者の状態が変わるから、実は非常に対応が難しい。かつての侍医のように毎日患者を診察できれば良いが、一番短くても週に一回という診察頻度では、産後の不調に万全に対応することは出来ない。特に今は芎帰調血飲が保険薬から無くなってしまったし。
ただそれ以上に大切なのは、妊活していたり妊娠している患者から、漢方薬は安全かと訊かれたときだ。それについては、「なかなか妊娠できない女性に古くから使われてきたいくつかの漢方処方である桂枝茯苓丸や当帰芍薬散や、つわりに使われてきた小半夏加茯苓湯は安全であることが歴史的に証明されていますが、それ以外についてはデータはありません。それは、全ての西洋薬も同じです。つまり妊婦を対象にした安全性試験なんか、倫理的に許されませんからね」と答えるしかない。
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投稿日時:2025/06/05あゆみ野クリニックに心療内科があるのは皆さんご存じだと思います。農家の患者さんも時々来ます。しかしそういう人で「兼業農家」は一人もいません。農業をやる苦労のあまり心を病んでやってくるのは全員が専業農家なのです。
専業農家、特に宮城県北部の大規模農家は、米作が中心です。宮城県は有名な米地帯です。ササニシキやひとめぼれなど、全国ブランドの米がたくさん作られています。
そういう米を大規模農場で作る農家が、心を病むのです。
無論、農業そのものに発する苦労はあります。いくら電子化が進んだとは言え、今でも農業はお天気しだいです。当院の患者数もかなりその日のお天気に左右されるのですが、農家にとってはそれどころではありません。天候不順になれば、幾晩も夜を徹して田畑の状況を観察し、適宜手を打たねばなりません。1度の温度差だって収穫に影響するのです。
しかし専業農家の悩みは、それだけではないのです。
専業農家、特に米農家は大規模農業で米を作るのですから、国の減反政策の助成金なんか受けられません。何しろ日本は農民に、主食である米を作らなければ助成金を出す不思議な国です。米を作る農民は助成が得られません。つまり、減反政策で助成金が入るのは土地を持っていても米を作らない兼業農家であって、大規模に米を作る専業農家ではありません。
兼業農家は減反で入る助成金に加え、空いた土地を貸し出す地主でもあります。専業農家はそういう兼業農家から土地を借りるのです。つまり、専業農家は大規模農家ですが、小作人なのです。一方兼業農家は「零細農家」と言われますが、実は土地を貸し出す地主なのです。さらに兼業農家は当然兼業しているのだから農業以外の収入があります。しかし農業一本の専業農家は24時間365日農業に専念しなければなりません。専業農家に「労働基準法」なんかないのです。
だから専業農家が心を病むのです。兼業農家は「農業をしない」事で助成金を貰ってのうのうとしているのです。
明らかに間違ったことが行われているのです。世界中何所でも農業は国が保護しますが、それは「農産物、食料を作れば保護する」のです。「主食を作らなければ金を出す」なんて言う国は日本だけであって、かつそれは「完全に間違っています」。
こう言うことが農業だけでなく、国の隅々までまかり通っているのが今の日本です。だから私は「日本国なんか潰してしまえ」というのです。なぜなら今の「日本国」というものは、こうした明らかに矛盾した永年の腐敗したしきたりの塊だからです。
日本国なんか、潰しちまえ!
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投稿日時:2025/06/05
81歳の元農林水産大臣が小泉ジュニアに世迷い言を言ったのは大衆に知れ渡ったが、あれはつまり、農家、農協、JA、族議員というのがこれまで半世紀以上も「既得権益」でもたれ合い、「ムラ」を作っていたというのを如実に物語っていたからだ。あまりにもそれがあからさまになったから民衆の批判を浴びた。しかし彼らはそれを「既得権益」と考えているのだろうが、それが本当に「既得権益」なら、何故日本の農業はこれほど衰退し、もはや絶滅の一歩手前なのか?衰退し続け絶滅の一歩手前になるのは「権益」なのだろうか?
無論これは農業だけでなく、たとえば医薬業界、医師会、薬剤師会、看護師協会などと厚労族の政治家についても言えることだ。これまで医師会、薬剤師会、看護師協会が一定の政治家と結びついて「既得権益」を維持してきたのなら、なぜ今医療も看護も介護も破綻寸前、いや率直に言えば既に破綻しているのか?破綻したという事は「権益」なんか守られていなかったという事だ。
おそらくこういう状況は、この日本という国の殆ど全ての領域で同じようになっているはずだと思う。
もはやこの「権益」と称する「茹でガエル」から抜け出さなければならない。それは「日本国」という形態そのものを破壊し、新しい社会体制を創造することに他ならない。なぜなら今の「日本国」は事実上アメリカの植民地である疑似国家であって、その中の「既得権益」なるものは全て分野分野を衰退に追いやっているのだから。
「日本国」を完全に新しく、0から作り直さなければならない。 -
投稿日時:2025/06/04あゆみ野クリニックは心療内科、精神科を標榜してはいますが、実は私はそのどちらも系統的な修練を受けたわけではありません。実は私は自分があゆみ野クリニックを引き継いだとき「心療内科」ははずそうと思ったのですが、患者がいるからと言われ仕方なく続けることにしました。ところが心療内科で請求できるのは「心身医学指導料再診800円」だけで、これではクリニック倒産しますから、経営のために精神科も標榜したのです。実はその程度です。
しかし実際にやっている内に、だんだん当院の心療内科というものが出来てきました。主に労働問題、つまりパワハラや職場の人間関係のもつれとか、イジメ、DVなどを扱うのです。
心療内科と精神科ってなにが違うの、というのは曖昧な問題です。いまは「メンタルクリニック」という便利な言葉があるので、精神科にも心療内科にも似たような患者が来ることは多い。しかし心療内科と精神科で本質的に違う点は何かと訊かれたら、私ならこう答えます。
心療内科は人生を扱う。精神科は根本的には脳を扱う。
脳を扱うのは神経内科という事になっていますが、しかし精神科しか扱えない患者は、たしかに精神や感情に於ける問題を抱えていますが、その根本要因は未だ不明だが脳になんらかの病変が起きているはずだ、と言うものです。統合失調症とか、昔で言う大うつ病、今の言い方なら「再発性うつ病エピソード」、「原因が特定されない幻覚妄想」などです。こういう症状を持つ患者さんも、無論生活のストレスで病状は悪化しますが、しかしその人の病気の根本原因は「何かまだ完全には突き止められてはいないが脳の内因性変化」なのです。内因性、つまり外からの刺激ではなく、そもそもその人の脳の中で何か問題が起きているのです。
一方、心療内科が本来扱う患者の病因は「人生」です。つまり心療内科にも精神科にも「鬱状態」の患者は来るが、その鬱状態の根本原因はどうもその人が抱えている人生のストレスではないな、となればそれは精神科ですが、その鬱状態を引き起こした根本原因がその人の人生、生活要因だとなればこれは心療内科なのです。
時々「お前は心療内科の系統的研修を全く受けていないのに何故心療内科を標榜しているのだ」と批判されることがあります。それはごもっともなのですが、心療内科というのがそもそも「人生を扱う診療科」であるなら、心療内科医にもっとも要求される資質は「その医者がどれだけ必死に人生を生き、人生の苦労を舐め、自分の体験をどれだけある基準を当てはめて標準化できているか」だと思います。その基準は、無論心療内科医が学ぶ心身医学でも良いのですが、私のように労働三法と仏教であってもよいのです。要するに人生の塵労を何かの基準に当てはめ、ある程度標準化する、一般化することが出来ればいいのです。
石巻にも、本来精神科医であるメンタルクリニックはもともと何件かあるし、お隣の東松島市を含めれば精神科単科の病院は二カ所あります。だから、私はあゆみ野クリニックが扱う心療内科の患者は、そういう精神科が本来扱わない心の病に限ろうと思います。具体的には、労働問題とDV、いじめです。しばらくの間、当院の人事体制が混乱していたので私もちょっと心療内科初診を毎週3人設けるというのは無理だったのです。私の精神が疲労困憊してしまいました。だから「初診は2万」というバリアを設けていました。しかし7月から、この「2万」というバリアは止めます。その代わり、当院が扱う患者は労働問題とDV、イジメに限定します。つまり、その人が心を病んだ原因が明らかにその人の人生、その人が置かれている社会環境(職場や学校、家庭環境など)にあると考えられる人だけを扱います。そうでない人は、精神科医のメンタルクリニックをご紹介します。
要するに当院の心療内科は、人生相談に徹するのです。 -
投稿日時:2025/06/03多くの言語で「心」と「心臓」を同じ言葉で表すのは興味深いことです。日本語や中国語では「心」。英語ではheart、ドイツ語ではHerz(ヘルツ), イタリア語ではcuore、ロシア語ではсердце(セルツェ)などなど、皆同じです。しかし今日は今まさに心臓が止まりそうな患者と心が苦しい患者が同時に来たのです。今日は「心臓」を優先せざるを得ませんでした。
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投稿日時:2025/06/03石巻の地元企業でパワハラに遭って「いっそ死んでしまおうか」と思った若者に。
へ?石巻で虐められたから死ぬんですか?石巻なんて、死ぬ価値ないです。もしあなたが自分の命を投げ出すことでこの日本が救われるのなら死んでも良いですけど。
なんか、元気になって帰って行った。