あゆみ野クリニックの挑戦

2025/05/07

あゆみ野クリニックは無論地域医療を担う一つのクリニックですが、実は私にとっては一種の社会研究のフィールドでもあります。


石巻という、国家資格である看護師を最低賃金で雇うような土地で、マルクスが言う条件を満たす給与、つまり「労働者が労働力を再生産できる額の給与」を出して、それで経営が成り立つのだろうか、と言うのを私は研究しているのです。


「労働者が労働力を再生産できる額」、つまり労働者がその給料で自分一人が食べていくだけではなく、結婚し、子を育み、教育の機会を与え、次世代の労働者として立派に世に送り出すために必要な金額が「給与だ」とマルクスは言うのです。最低賃金なんてのは、当然そんなことは出来ない金額です。それでは石巻に於いて、マルクスが言うような給与を出してクリニックが成り立っていけるのかどうか。


私は永年研究者をやってきました。今は、これが私の研究テーマです。はたして、石巻の医療機関の何所も出していない、しかし東京はもちろん仙台なら当たり前の給与を支払って、このクリニックは存続できるかどうか。これは、私の研究なのです。
 

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