妊活中や妊娠している女性に対する漢方薬の安全性

2025/06/05

不妊症に対して漢方が出来ることは、ひたすら気血水の循環を整えるだけだ。それ以上のことは出来ない。産後の不調というのは、日々患者の状態が変わるから、実は非常に対応が難しい。かつての侍医のように毎日患者を診察できれば良いが、一番短くても週に一回という診察頻度では、産後の不調に万全に対応することは出来ない。特に今は芎帰調血飲が保険薬から無くなってしまったし。

ただそれ以上に大切なのは、妊活していたり妊娠している患者から、漢方薬は安全かと訊かれたときだ。それについては、「なかなか妊娠できない女性に古くから使われてきたいくつかの漢方処方である桂枝茯苓丸や当帰芍薬散や、つわりに使われてきた小半夏加茯苓湯は安全であることが歴史的に証明されていますが、それ以外についてはデータはありません。それは、全ての西洋薬も同じです。つまり妊婦を対象にした安全性試験なんか、倫理的に許されませんからね」と答えるしかない。

 

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