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重要「降圧剤が腎臓癌のリスクを高める可能性が報告された」
2025/06/26
直近のBMC Cancerに投稿されたメタアナリシスによると、降圧剤は腎臓癌の発生を高めるリスクになり得るようです。
この論文は39本の信頼できる論文のデータを統合して解析し直した「メタアナリシス(meta-analysis)と言う方法によるもので、それによると数種類のグループに分かれる降圧剤の内、特にカルベジロールなどのベータ遮断薬(RR 1.40、95% CI 1.12–1.75)、及びアムロジピンなどカルシウム拮抗薬(RR 1.40, 95% CI 1.12–1.75)、利尿系降圧剤(RR 1.36, 95% CI 1.20–1.55)で強い腎臓癌発がんとの関連性が認められました。一方降圧剤の中でもレニベースなどアンジオテンシン変換酵素阻害薬 (RR 1.19, 95% confidence interval (CI) 0.93–1.52)、ブロプレス、ディオバンなどアンジオテンシンレセプター拮抗薬(RR 1.15, 95% CI 1.00-1.31、ジェネリックとしての名前は「なんとかサルタン」となっている薬)の腎臓癌との関連性は比較的小さいようです。
高血圧の治療が脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの予防のために必要なことは変わりありませんが、今後こうしたデータを踏まえてどの降圧剤を使うかという薬の選択は見直しを迫られることになりそうです。