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不適切な多剤併用状態になっている高齢者の薬を整理しても患者本人にとってメリットはなかったと言う論文。

2025/06/28

JAMAに掲載されたメタアナリシス

 

不適切な多剤併用状態になっている高齢者の薬を整理してみたら確かに服薬数は平均0.5錠減ったが、そのことは非重篤な有害薬物反応(RR、0.92 [95% CI、0.58-1.46])、転倒して傷を負う頻度(SMD、0.01 [95% CI、−0.12から0.14])、 QOL(SMD、0.09 [95% CI、−0.04~0.23])、医療受診回数(SMD、0.02 [95% CI、−0.02~0.07])、救急外来受診(RR、1.02 [95% CI、0.96~1.08])、 入院(RR、0.95 [95% CI、0.89-1.02])、または全原因死亡率(RR、0.94 [95% CI、0.85-1.04])において有意な改善はもたらさなかった。


結局高齢者の多剤併用をどうにかしようと頑張っても処方数はせいぜい平均0.5錠減るだけで、それが何か高齢者にとってメリットをもたらしたわけではなかった。


思い込みや常識とデータに示される現実はしばしば異なる。


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