休日当番の時の状況

2023/07/11

7月9日は当院が石巻の休日当番医でした。合計47人の患者が来ましたが、ざっと40名以上は発熱ないし風邪症状の患者です(途中から何人だったかなんて数えなくなりましたが)。


この日がおそらく発熱外来と熱中症で埋まるであろう事は前もって予測していたので、私は一番近いいつもお願いしている薬局にこうした上気道炎と熱中症に使う漢方をできる限りかき集めて貰っていました。その薬局は本来日曜は薬剤師がいないのですが、その日は当院の休日当番に合わせて臨時出勤してくれたのです。


しかし昼頃、薬局から電話が掛かってきました。「麻杏甘石湯と柴陥湯がほとんど底をつきました」。「五虎湯はまだある?」と訊いたら「あります」というのでじゃあ大丈夫と思いました。


午後も患者は途切れません。また薬局から電話がありました。「ちょっと一人で対応しきれないので漢方以外の薬はイオンモールの薬局に流してください」。了解、と言ってハチ刺されのプレドニンや帯状疱疹のバルトレックスなどの処方箋は全部イオンモールの薬局に送りました。


4時頃になってまた電話があり、「白虎加人参湯がもうないです」。しかたが無いので熱中症には越婢加朮湯と桔梗石膏を病名は適当に付けて出しました。要するに石膏をたくさん出してついでに補脾した訳です。


昨日は非常に蒸し暑く、次から次から発熱の人が押し寄せますので院内にこしらえた二つの発熱外来では到底廻せず、発熱患者さんはほとんど車で待機して貰いました。ところがそうすると、コロナの人が同時に熱中症になってしまうのです。点滴しようにも場所が無い。当院の救急カートにも白虎加人参湯を一箱準備していたので、そういう人は点滴のブースが空くまで白虎加人参湯をクリニックの水道の水で飲ませて急場を凌ぎました。


去年の夏に流行ったコロナはほとんど典型的な傷寒太陽病の様相を呈していましたが、今年は高熱とともにまず喉、そして初期から往来寒熱を呈して少陽病を思わせる所見が多く診られます。暑いか寒いかと訊くと暑いというのですが、より詳しく聞くと単に熱感がするのでは無く往来寒熱しているようです。XBBに株が変わったことと関係があるのかどうか、私には分かりませんけど。


10月にまた休日当番があるんです。それと来年元旦も。敵わんなあ。


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