石巻あゆみ野駅前にあるあゆみ野クリニックでは漢方内科・高齢者医療・心療内科・一般内科診療を行っております。*現在訪問診療の新規受付はしておりません。
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投稿日時:2025/07/14
患者各位及び関係者には誠に申し訳ございませんが、あゆみ野クリニックはこの7月末日を以て閉院のやむなきに到りました。その理由と顛末を全て包み隠さずここに記します。張本人は全て阿部吉治という人物です。
これまで阿部吉治がやってきたことを時系列的にかいつまんで説明します。
このクリニックはもともと阿部吉治が会長であるあい日本吉兆会が経営しており、私は前院長が膵癌で急死したため、しばらく空き家になっていたこのクリニックに雇われ院長として入ったのです。それが令和4年4月です。そのときの私の年収は額面1800万円でした。
ところが令和5年2月、阿部吉治が私をクリニックに訪れ、「実は来月からあなたたちに支払う給料がない。だからここの経営を引き継いでくれ」と言ったのです。
私は唖然としましたが、ここあゆみ野という街全体が復興住宅地区であり、ここに住む人々は全員があの津波で自宅や家族を失った人々であること、かつきちんとした調査は出来ていませんでしたがかなり多くの家が認知症が疑われる独居老人で毎月数人は救急搬送(事実上そのまま死亡確認)という状況になっていることを考え、どんなに難しくてもこのクリニックの灯火(ともしび)を消すまい、と覚悟したのです。それで令和5年3月から私がここの経営者になりました。
貯金1500万円は3ヶ月で0になり、もう本当に銀行に一銭も金が無い丁度そのとき融資が実行され、以来今までどうにか経営を続けてきたのです。幸いにもこのクリニックは次第に市民、特に近隣住民に認知されるようになり、3年目である今年の3月以降は電子カルテ上単純計算できるだけで売り上げが毎月500万以上、これにワクチンその他を入れると月の売り上げが600に行ったり行かなかったりという状況になりました。
しかしこのクリニックの賃貸契約は、もともと実に摩訶不思議なものなのです。
まず賃貸契約では、二階建ての建物の一階部分全部を当クリニックが借りていることになっています。区割り図面はありません。一階部分55坪全部が当クリニックに貸し出されています。しかしクリニックを開業してすぐ、二階のデイサービスから「これだとデイサービスの利用者が行き来するエレベーターホールもクリニックが借りていることになってしまう。しかしこれでは困るからここは使わせてほしい」と申し出がありました。私はそれはどうぞどうぞと言ったのです。
ところが1年ほどした後、消防法では「通路」になっているが契約上は明らかにクリニックが借りている(何故なら契約書では一階部分は全てクリニックが賃借していることになっていますから)の真ん中にガラス戸が嵌められ、向こうから鍵が掛けられ、「この先立ち入り禁止」という紙が貼られました。これには呆れましたが、このガラス戸の向こう側も基本的に当方では使用していなかったので、観て観ぬ振りをしたのです。
ところが先月、阿部吉治が私を呼び、「契約書では2年後に家賃を増額するとなっている。だから今の税込み66万を77万に増額する」と言い出しました。たかだか石巻の一番場末です。駅前とは言っても、駅前通りには美容室一軒の他商店はないのです。
私はこれについて弁護士に相談しました。そうしたら弁護士が「その阿部吉治という人物は何者ですか?」というのです。実は、当院の大家は「あい吉眺福祉会株式会社」という会社で、阿部吉治という人物はその会社の理事長である阿部環の父親です。父親ですが、その会社に何の役職もないのです。要するに理事長の父親と言うだけです。
私がそれを弁護士に説明すると弁護士から、「そもそも不動産の賃貸借契約は、当事者同士がやるのは自由です。しかし誰かを代理人にするのであれば、それは宅建士の資格を持ち不動産業を都道府県に届け出た人ないし組織で無いと出来ません。だからそんな人は正当な代理人ではないから、契約そのものが無効になります」というのです。
そこで私がその旨を阿部吉治に告げたところ、
「そうか、そんなら出ていってけらいね」と言って彼は立ち去りました。しかしそこから彼の執拗な嫌がらせが始まったのです。
まず、当院が正式に契約して借りていた駐車場に駐めてあった当院従業員の車に、勝手に「無断駐車だ」という張り紙を2回貼りました。私は2度目には警察を呼びましたが、警察は一切取り合いませんでした。
そうして7月10日木曜日、阿部吉治は今度は勝手に自分たちが仕切りをしたガラス扉を越えてクリニックに侵入し、ここはお前達には貸していない。だからこっちが使うと言って、ボロ布団を多数持ち込んだのです。
その報告を看護師長から受け、私は遂に激怒しました。なぜならその場所は、外の発熱外来が埋まっているとき、やむなく他の発熱患者をそこで診察する、つまり実際診療に使用していた場所だったからです。しかし丁度そのとき重症患者を石巻日赤に搬送するため、救急車が到着したところでした。それで私はボロ布団をどんどん持ち込んでいた阿部吉治に、止めろ!と言って彼を後ろから押しました。押しましたが、もうそのときは救急車が現場に到着していたので、私はそれ以上はなにもせず、救急車に同乗しました。
ところが救急搬送が終わって私がクリニックに帰ってくると、天上まで届くほどの山のようなボロ布団、壊れた椅子、なにやかにやのボロ屑が当クリニックの一角にうずたかく積み上げられていました。そのときクリニックには私しかいませんでしたので、私はその膨大なボロを全て外に捨てました。この画像は、そのとき天井に達するほどうずたかく積み上げられていたボロ布団や壊れた椅子やらなにやらを概ね半分ほど私が外に捨てた状況です。実際はこの2倍以上詰め込まれていたのです。するとしばらくして阿部吉治が部下二人を連れて「おめえ、何すんのや!」と怒鳴ったのです。
私の鉄拳が彼の顔を吹き飛ばしたのと、彼の左足が私の左胸を強打したのがほぼ同時でした。無論、彼を殴ったのは暴行に当たります。しかし同時に彼も私を蹴り、実際診断書にある通り私は彼に蹴られて左肋骨不全骨折で全治1ヶ月となったのです。本日石巻警察署は私が肋骨損傷、全治1ヶ月という診断書を添えて出した被害届を不受理にしました。被害届を不受理にした理由について、担当刑事から「この件はこちらでも捜査が進んでおり、この被害届は虚偽だから受けとらない」と宣言されました。では私の肋骨は何故折れているのですかと聞きましたが「知らない」の一言です。
実はこの裏には筋書きがあるのです。つまり、阿部吉治は被害届を出すが、ここのクリニックがなくなると自分の家賃収入がなくなり、かつ薬局も立ちゆかなくなるので、「ここで診療を続けるのなら被害届を取り消す」という話を内々に警察にしているようです。ところが私が正式な診断書に基づいて傷害罪で被害届を出すと彼のもくろみが潰れるので、警察が私の被害届をもみ消したのです。つまりそもそもこのクリニックがなくなれば阿部吉治には今でも税込み66万という家賃収入が無くなる上、当院の患者を当て込んで4月に開業したすぐ横の調剤薬局の経営も宙に浮くからです。
被害届は原則としては警察は受け取らなければならないものなのですが、それは警察の内規なので、往々にしてこのような恣意的な判断がなされます。しかしこちらには弁護士からの告訴という手段もあるのです。実は弁護士の告訴も過去不受理になったことはあるので不可能ではないのですが、そうなると後々裁判では相当検察側が不利になります。それを覚悟で検察が弁護士の告訴状を不受理にするかどうか、と言うところが今後の争いになります。
しかしながら、これまでの阿部吉治の行動全てを勘案した上で今朝私は常勤職員4人及び事務長と相談の上、これほどの扱いを受けながらここで診療をしたり職員が仕事を続けることは出来ないという事で全員が一致しました。従って、彼が石巻警察署になにを細工しようが、もはや彼の思い通りには行かないのです。ここまでやられて診療を続ける医者、医療従事者なんかいません。そんな馬鹿げた筋書きは、もう通らないのです。
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投稿日時:2025/07/05あゆみ野クリニックには最近「他よりちゃんと診てくれる」という良い評判が立っています。しかしそれには、色々な職員が頑張って貰う必要があるんだというは無しです。
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投稿日時:2025/07/05今日私が相方事務長にぶつけたこと。
最近あゆみ野クリニックは、他よりちゃんと診てくれるという評判が立っている。他で診てもらっても良くならないからここに来たという患者が多い。これは明らかによい意味での「差別化」なんだ。
だが、私がそういう「他とは一段レベルが違う診療をやる医者」であるためには、たくさんの時間が必要だ。漢方を学ぶのは勿論、最新の医学については毎朝JAMA(アメリカ医学会雑誌)から送られてくるメールに目を通し、これはと思った論文は読むわけだ。
石巻で、毎朝JAMAに目を通している医者なんかいないさ。これが患者の「あそこはちゃんと診てくれる」という評判に繋がっているんだ。
だけどその為には、職員の昼食代を福利厚生費にするのにはどうやったら良いかと言ったようなことは、まさに事務長のお前が中心になって話を纏めて、俺はお前の報告を受けて「うん、それでやってくれ」とやる必要があるんだ。そんなことまでいちいち税理会計事務所の所長と俺が相談しないと事が進まないのでは、せっかく他との差別化になっている「あゆみ野クリニックに行けばちゃんと診てくれる」が出来なくなる。だからそういうことはお前がやってくれ。おれは「職員の昼食代は福利厚生費として出すべきだ」という大方針を下すから、それを具体化する作業はお前がやって貰わないと困る。 -
投稿日時:2025/07/05
二、三日前、当院に全身蕁麻疹の患者さんが来た。昨日はぎっくり腰の人が来た。そして今日は耳、鼻、喉が痛いという人がやってきた。みんな初診。さすがに今日の人には耳、鼻、喉を覧るのが「耳鼻咽喉科です」と教えてあげたが、診察したら普通のウィルス性鼻炎、咽頭炎で細菌感染の徴候は無かったから漢方で治療できた。そうそう、今日は丹毒の人も来たんだった。
それで当院は、何科なんだろうか。 -
投稿日時:2025/07/03三陸自動車道から別れた仙台南道路の長町ICで下りて4号バイパスとぶつかる交差点を「鹿又交差点」という。ここはどちらもかなりな交通量だから、絶えず渋滞するし、とりわけ朝夕の渋滞は酷い。
ところがこの交差点では特に夕方の退勤時間に、非常に不思議な現象が起こる。
始めに確認しよう。日本の道路交通法では、直進車が右左折車に優先する。
ところがこの鹿又交差点では、右折車が皆強引に交差点に突っ込んでくるのに、長町インターで降りた直進車は交差点の中が痞えていると前に進もうとしない。しかしこの交差点は絶えず強引に突っ込んでくる右折車で痞えているから、「前が痞えている」と言って発進しなければ、それは何回信号が変わっても交差点には入れない。右折車が強引に突っ込んでくる以上、右折車より優先される直進車はさらに強引に交差点に進入すべきだ。例えその結果自分の車が交差点のど真ん中にいる間に信号が変わり、対向の右折車からクラクションを鳴らされたって、平然としていれば良いのである。
一番先頭の直進車がいつまでも動かないとき、私はぐいっと追い越し車線に車線変更して交差点に突っ込む。当然交差点のど真ん中で止まってしまい、対向の右折車がブーブー言うことはあるが、私は平然としている。
こう言うことは、バンコクでは当たり前だし、当然ホーチミンやビエンチャンやダッカでも当たり前なのだから、仙台でも当たり前だというのが私という人間の発想なのである。因みに石巻では、交差点で自分の前を走っている直進車が急停車することがある。右折車に道を譲るのだ。これは今でも慣れない。後ろを走っていると仰天して、思わず前にぶつかりそうになる。まあ今乗っている最新式のVolvo V60は本当にぶつかりそうになると車が急停止するから、ぶつかることはないのだが。 -
投稿日時:2025/07/01
70代半ばまで必死に働いて生きてきた独居女性。ついに職場の階段を上がると息切れがひどく仕事ができなくなった。生活保護を受けることになったがそれが恥ずかしく、周囲と顔も合わせられないと塞ぎ込んでいる。
私は俯くその人の顔をしっかり見つめてこう言った。
Aさん、あなたは70も半ばになるまで、必死に働いて、お子さんを立派に育て上げられた。社会に十分貢献されました。恥じるべきはあなたではありません。あなたのような方が生きていくのに十分な年金を払わないこの国です。日本という国こそ、あなたに対して深く恥いるべきです。 -
投稿日時:2025/06/30
JAMAと言えば世界三大医学雑誌の一つです。ここに日本の研究グループから「価値の低い医療を行う医師の特徴」という論文が掲載されました。それに対する私のコメントがJAMAによって取り上げられ掲載されました。以下、私のコメントの日本語訳だけ紹介します。元論文や英語による私のコメントはJAMAをご覧下さい。
2025年6月22日
伝統的な医療治療は「低価値医療」ではありません。
岩崎 鋼, 医学博士 | あゆみ野クリニック, 日本
私は、著者が「低価値医療を提供する医師になりやすい」と主張する4つの条件のうち3つを満たしています。唯一満たしていないのは、残念ながら当クリニックの患者数が1日30人を越えることがほとんどない点です。しかし、40歳になる前にクリニックを開業すべきだったでしょうか?私は、40歳までは大規模病院で救急医療や重症患者治療の経験を積むべきだと考えています。
私は60歳ですが、腰痛患者に注射を打ったり、プレガバリンを処方したりはしません。痛みが急性腰痛による場合、鍼治療を行います。腰椎の加齢に伴う退行性変化が原因の場合、伝統的な中国医学で治療します。これは、私が伝統的な中国医学を学んだためです。PubMedによると、現在、腰痛に対する鍼治療に関する英語の論文は1,366件あります。コクラン・ライブラリーが伝統医学に対して否定的な立場を取ることは驚くべきことではありませんが、コクラン・ライブラリー自身も
「ただし、鍼治療は、短期的な痛みの軽減と機能の改善において、無治療よりも有効でした。通常のケアを対照群とした試験では、鍼治療は痛みを臨床的に軽減しない可能性がありますが、治療直後の機能の改善や、短期的な身体的生活の質(精神的生活の質は除く)の改善に役立つ可能性があります」
と報告しています。要するに、このような伝統的な医療治療は、著者が主張する「低価値医療」ではありません。たとえ著者の伝統医学に関する知識を疑問視したとしても。
引用文献
Mu J, Furlan AD, Lam WY, Hsu MY, Ning Z, Lao L. Acupuncture for chronic nonspecific low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2020年12月11日;12(12):CD013814. doi: 10.1002/14651858.CD013814. PMID: 33306198; PMCID: PMC8095030.
利益相反: 無し -
投稿日時:2025/06/29
今日は相方と一緒に湯治に行きましたが、じつは湯治の目的がそれぞれ違っていたので、別々の温泉に行きました。どちらも大崎市内にある三峯荘とひまわり温泉・花折りの湯です。この2つの温泉は実は車で10分もかからない位近いんですが、湯質は全く違います。
三峯荘は単純泉の源泉掛け流し、加水も加温もしていませんというものです。なので真夏に入るにはちょっと湯が熱すぎるのですが、相方は数日前に痛めた腰の療治に行ったのですからここに連れて行きました。あちこち関節の痛みには、まさに著効する温泉です。
一方相方を下ろした後私は車ですぐのひまわり温泉・花おりの湯に行きました。温泉のHPにはぼかして書いてありますが、ここの湯はph 8.2と言うアルカリ性です。そしてここの湯は泥炭層を通って地上に上がってきます。ですので、泥炭が飽和状態で含まれています。飽和して溶けない泥炭はチラチラと湯に舞っています。それは人間の垢ではなく、溶けきれなかった泥炭なのです。
泥炭というのは太古の植物が炭化したけれども黒炭ほど純粋な炭素構造にまではなっていないというものです。だからこの温泉はPh8.2と言うアルカリ性に加えて、いわば泥パックをするのと同じ効果を持つわけです。だから「肌に良い」のです。何故かそのことがHPでは強調されていませんが(多分保健所の「いかがなものか」が入ったのだろうと思います)、医学的にはそう言う事です。弱アルカリ性だから余計な痂皮は溶かしてしまい、しかも泥パックと同じ効果で肌の状態を改善させるのです。
単に気分転換で温泉に行くのなら何所でも良いのですが、ここが悪いからと宇治に行くと言うときにはやはりそれぞれの温泉の特徴をよく考慮していくのをお薦めします。
なお通常温泉の浴場は画像として公開できませんが、今日はわざわざその為に専用個室風呂を1時間予約しました。他の客は誰もいないのですから、画像を公開しても良いでしょう。 -
投稿日時:2025/06/28
話題の映画「フロントライン」を見た。コロナ禍の中で起きた巨大国際客船ダイヤモンドプリンセスの中でコロナの集団感染が起きた事件を映画化している。高山義浩医師と岩田健太郎教授についてはあまりにも生々しく、そのままの言動が映画に上っているのだから、もはや彼らの名前を廃薬の名前で呼ぶ意味すら無いだろう。
なにしろ、横浜港に入港した巨大客船ダイヤモンドプリンセス船内でコロナの集団感染が起きたという事態に、横浜市と感染症学会関東支部が協力を拒否したという事実がここでは明示されている。こう言うことは、映画であっても嘘を書けばかならず当事者からの抗議を受けるのだから、横浜市が対策本部を設けず、感染症学会の関東支部が協力を拒否したのは事実に違いない。
さてこの映画の中で実際には高山義弘先生である役名立松信貴と岩田健太郎教授であることは現実として否定が難しい岩田健太郎教授のやりとりが紹介される。映画では圧倒的に岩田先生、役名では古賀教授が無茶苦茶を言って自体をかき回したように描かれているが、現実にその時日本国内で自分自身新型コロナに対峙していた臨床医である私から覧れば、当時の岩田教授の指摘は正当だったし、かつそれに一問一答形式で反論した高山医師の対応も正しかった。
そもそも頭から日本国の対応が不適切だった。つまり、パンデミックに対して何らそれを任務として要求されておらず、従って感染防御の基本的訓練も受けていないDMATを対応にあたらせた。それ自体がそもそも「間違い」なのだが、ではあの時日本にパンデミックに対応できる組織があったかというと、無かった。日本版CDCが設立されたのは、なんと今年の4月、つまりたった2ヶ月前だ。しかも楚の組織は従来あった二つの国立の組織を統合したものであって、設立総会で理事長が「二つの組織の隙間を埋めて」と挨拶している。つまり、現時点で隙間が存在するのだ。
ダイヤモンドプリンセスの事件が起こったのが2020年なのに、日本版CDCが形ばかり作られたのが楚の五年後でアル今年の4月というのだ。
頭から対応は間違っていたわけだ。
しかもこの映画は当時の状況を忠実に再現していると思われるが、船内に入って対応に中った医療班が付けているのは普通のマスクと、今では新型頃には何の効果も無いと判断されているアクリルマスクだ。
あの当時は新型コロナの感染経路自体が不明だった。少なくとも飛沫感染は起きていると考えられたからマスクとアクリルフェイスマスクだったのだが、今では新型コロナはエアロゾル感染という、感染対策上は限りなく空気感染に等しい感染をすることが分かっている。
しかしあの時は岩田教授もその知識は無かった。なぜなら世界中誰も新型コロナの正確な感染方式は分からなかったから。
そう言う中で感染症学会は真っ先に逃げ出した。高山医師は臨床感染症学の専門家だが、さすがに一人では心細かったのだろう、岩田教授がDMATの一員として乗船することを彼の専決で許可した。こう言うところが高山医師の凄いところなのだ。高山義浩医師は少なくともあの時、厚労省の医務官という立場だった。かれは沖縄県立中部病院と厚労省を何故か行き来しているのだが、その背景には色々な政治的な理由があるのだろうと私は考えている。しかしそれはともあれ、あの時高山医師は神奈川県が設置した対策本部に厚労省担当者として乗り込んだ。そして、「DMATの一員として現場を見たい」という岩田教授の申し出を、おそらく事実上彼が自分の一存で許可した。しかしその条件は「岩田教授は臨床感染症学の専門家として現場を見るが、それについては自ら支持指図するのではなく、厚労省から対策本部に派遣された医務官であってかつ岩田教授とも議論が出来る高山医師に現場を見た見解を伝える」という事だった。ところが現場に入った岩田教授はあまりにも感染防御の基本が無視されている現状に言葉を失い、その場で支持指図し始めてしまった。それで現場が困り果て、事実上「追い出された」。岩田教授を現場に入れたのは高山医師だったから、それで高山医師も現場の突き上げを喰らったはずだ。だから高山医師は岩田教授の指摘にSNSで一問一答形式で回答し、反論した。その結果、岩田教授は自らのYouTube画像を削除した。
この経過は、今から見れば実に残念だった。岩田教授が臨床感染症学の専門家として指摘した現場のミスは、全て彼の指摘通りミスであった。だからその限りでは岩田教授は正しかった。しかしそこで岩田教授があまりの事態に仰天し、自ら減で支持指図を始めてしまったのはやはりマズかった。要するに彼は高山医師の計らいで半ば内密にDMATの一員として現場に入ったのだから、自分の見聞はいきなりネットではなく、また現場で指示指図するのでもなく、岩田教授の指摘を理解する能力があった感染症の専門家である高山医師に直接伝えるべきであった。つまりせっかく自分以外の臨床感染症学の専門家でアル岩田教授に現場を見てもらいアドバイスが欲しいと思った高山医師の思いとは反する行動を岩田教授は「思わず」取ってしまった。それは、たしかに現場があまりにも岩田教授が理解している感染病魚策とはかけ離れすぎていたからだろうが、それでも岩田教授は自分が現場に入った経緯を思えば、そこでぐっと堪えて自分の意見を高山医師にまずは伝えるべきだった。
岩田教授はアフリカのエボラ出血熱など、感染=死亡という危険な感染症の現場に乗り込んで仕事をしてきた人だ。だからそう言う国際感覚をちょっと「持ちすぎていた」。エボラ出血熱の現場ならいかなる政府の政策の法律も無視して良かっただろうが、日本という完全な規制社会でベストを尽くせたのは彼ではなく、高山医師であったという事だ。しかしそもそも岩田教授をDMATの一員ということにして船内に高山医師が入れたのは、もともと関係者の中で臨床感染症学が分かっているのが自分一人という状況に耐えがたかったからだと思う。だからこそ高山医師は岩田教授の「自分が船内に入り、臨床感染症学の専門家として自体を判断したい」という申し出を受け入れたのだろう。
事態はあまりにも混乱しすぎていて、高山医師と岩田教授の間で事前に綿密に意思統一を図るのは困難だったのだろう。だから岩田教授は彼流に行動してしまい、彼の指摘はほぼ全て正しかったにもかかわらず自体の混乱を招いた。
誰が一番悪くて責任が会ったかと言えば、それは間違いなく日本政府だ。そもそもあの時感染症パンデミックに対応する組織を作っていなかった日本国というもの自体が悪い。しかもあの事件を契機としてつくられた「日本版CDCもどき」が発足したのがやっと今年の4月というこの遅さ。
これは間違いなく「悪い」と言える。他の人々は、あの混乱の中、それぞれベストを尽くしたがやはり混乱や情報の意思疎通は上手くは行かなかったと言うだけだ。 -
投稿日時:2025/06/28
不適切な多剤併用状態になっている高齢者の薬を整理してみたら確かに服薬数は平均0.5錠減ったが、そのことは非重篤な有害薬物反応(RR、0.92 [95% CI、0.58-1.46])、転倒して傷を負う頻度(SMD、0.01 [95% CI、−0.12から0.14])、 QOL(SMD、0.09 [95% CI、−0.04~0.23])、医療受診回数(SMD、0.02 [95% CI、−0.02~0.07])、救急外来受診(RR、1.02 [95% CI、0.96~1.08])、 入院(RR、0.95 [95% CI、0.89-1.02])、または全原因死亡率(RR、0.94 [95% CI、0.85-1.04])において有意な改善はもたらさなかった。
結局高齢者の多剤併用をどうにかしようと頑張っても処方数はせいぜい平均0.5錠減るだけで、それが何か高齢者にとってメリットをもたらしたわけではなかった。
思い込みや常識とデータに示される現実はしばしば異なる。