義務教育で教えてほしいこと

2023/08/28

当院の心療内科は職場のパワハラやいじめで悩む若い人がとても多い。その若い労働者が、あまりにも社会のルールを知らないことにかなり驚いています。それで、これだけは義務教育で教えて欲しいというのをそういう患者を見ている医者の立場からまとめてみました。

 

一。数の概念。買い物ができて時刻表を見れるレベル。
もらった給料が正しい金額かどうかわかるぐらいの計算能力がないと、困る。

 

二、保健衛生。保健衛生は私が学生だった頃は体育の教師がやっていた。しかし体育教師は基本的に運動が専門だが、保健衛生は体育とも理科とも独立して教えるべき。特に感染症(ウィルスと細菌が起こす病気の違い・・・生物学的な違いを細かく教えろと言うのではない。ウィルスで起きる病気はどんなものがあってどう言う経路で感染するか、最近についてはどうか、ウィルスは抗ウィルス剤があればそれが治療の中心になるがそうでなければ水分補給して安静で治る。もちろん漢方薬も使って良いと言うようなこと)。

 

三、社会の仕組み

 

憲法とか三権分立も大事だが、まず最初に

 

「この国の主権者、つまり主人(あるじ)は国民である」

 

これを子供たちの頭に叩き込んでほしい。その上で、労働関係の法律、規則をしっかり教えてほしい。世界の端っこは平らで海の水はどこかに流れていると思っていても実生活には困らない。だが労働者の権利にはどう言うものがあるか、雇用者は何はできて何は許されないか。具体的には「ノルマ達成できないなら自分で買い取れ」と言うのは違法だと言うこと、退職を希望するときに退職は許さないとか退職したいなら診断書出せとかは全部違法だとか、それは身につけていないと生きるのに困る。

 

まあこの3つです。他は出来ても出来なくてもいいから、この三つはがっつり教え込んでほしい。


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