人間関係でお悩みの方へ

2024/02/02

人間関係に悩んでますという患者さんに私がよく持ち出すのが、この「正規分布曲線」ってやつです。正規分布曲線の統計学的意味とかは、この際関係ないです。私が患者さんにいうのは、人間であれなんであれ、一定数が集まって集団になると大体こういう分布になるんです、ということです。

 

それで、このグラフに三本薄い縦の線が描かれていますね。向かって左側の線の左側は、あなたと気があう人々を表しています。集団全体の中でそんなに多くはないけれど、自然に気があう人たちというのが必ず一定数います。これは気があうんですから仲良くすればいい。


左の縦線と右側の縦線の間は盛り上がってます。集団の中で一番多い、「どうでもいい人たち」です。誰にとっても集団の大多数は「どうでもいい」んです。この人たちとは、当たり障りなく接しましょう。若い子が得意な「そだねー」でいいんです。この多数派を敵に回すと人生かなり苦しいので、そだねーで摩擦を作らない。


向かって右の縦線の右側。これはあなたとは根本的に「合わない」人たちを表します。集団の中には、この「自分とはどこかどうしても合わない、馴染めない」人々がいます。どんな集団にもいます。理解しなくてはならないことは、この人たちは「悪い人たち」ではないのです。無論あなたからみるとこの人々はあーでこーで、やな感じなのですが、それはあくまで「あなたから見て」です。他の人から見たらその人は気が合う人だったり、どーでもいい人だったりします。


ともかく集団というのは大体こういうふうになります。そして、向かって右側の「どうしても合わない人」との接し方で疲れてしまう訳です。だからこういう人に対する態度は基本的に「無視」。関わり合わない。無論関わり合わないと言っても職場だったりご近所だったりすれば、最低限事務的に連絡事項を伝えるということはあります。ですがそれ以上に関係を持たない。事務連絡するだけ。どうせこの人々とあなたは、何をどうやっても合わないんです。だからこの人たちとなんとかうまくやろうと思うなんて、無駄です。関わり合わないこと。


しかしですね、この「合わない人」が職場の上司だとか、同僚だというのなら、別の対処法もあります。上司が明らかにパワハラをやってくる。でも直属の上司だから「関わり合わない」ができない。しかしこういう例は社内にコンプライアンスを担当する部署がある場合もあるでしょうし、当院で診断書を書けば職場が取り合わなくても労基署や弁護士に診断書とパワハラの記録を持って相談するとどうにかできます。パワハラというのは実は暴行罪なんです。パワハラという意図違法ではないというイメージがありますが、精神的に障害を受けても暴行罪。それであなたが打つ状態だの心因反応だとと言った精神的な病気の状態になれば傷害罪です。罪に問えます。


同僚の言動がいちいち癪に触るというのがパワハラかどうかというのは微妙になります。どうしても嫌で嫌でたまらない同僚がいるのであれば、職場に配置転換を希望してその人と離してもらうのが一番です。当院に相談してくださればこの患者が職場復帰するには特定の人物と引き離す必要があるので人事に特段のご配慮をお願いしたい、と言った診断書を書きます。


でもご近所付き合いとかだと、嫌なお隣さんがいても「引っ越してくれ」とかなかなか言えない。そういう時はこのグラフを思い出せばいいんです。合わない人とは関わらない。


PAGE TOP