医療保険制度が崩れている

2024/03/01

日本は国民皆保険、つまり国民全員が公的医療保険に入っているというのが建前なのですが、実はこれがかなり崩れています。保険証がない、という人がそれなりの割合でいるのです。
 

これまで会社勤めしていた人。何かの理由で退職した。次が見つかるまで国民保険に入ろうとしても、それまでの収入で保険料が計算されます。すると、急に退職を余儀なくされた人にとってはそれが払えません。結局無保険のまま。特に20代、30代では大病することはほとんどないので、「金ないのにそんなに高い金取られるぐらいなら保険証なんかなくたっていいや」となるわけです。
 

のちに職が見つかって再び社保に入る時、「この国は国民皆保険だからあなたが加入していなかった時も加入しているはずだった。だからその期間の保険料を払え」といってくるのです。その間その人は保険証を持っておらず、したがって医療保険を使っていないわけですが、「入っていなくてはならなかったはずだから後からまとめて払え」になる。するとその金額がすごいことになってしまう。「こんな大金払えません」というと分割には応じてくれますが、どうしても払えないとなると差し押さえられます。
 

あれやこれや、この国では建前と実態が恐ろしく乖離してきています。


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