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  • 投稿日時:2024/03/27

    先日、小さい頃「軽度知的障害」と認定されたが決まった主治医がおらず、18歳になって児童相談所の手から離れるので再度医師の診断が必要だという若者が来ました。お母さんが一緒でした。

     

     

    二言三言本人と話をしてみましたが極めて普通の会話が可能です。そこで私は彼(男性だった)に

     

    「2地点の柱状図から鍵層を使って地層のつながりを見出すとともに、その領域における地層の傾きを求めよ」

     

    という文章を読ませ、これが理解できるかと尋ねました。彼は首を横に振りました。それでお母さんに「あなたはこの文章を理解できますか?」と尋ねたところ、お母さんも首を傾げ、さっぱりわからない、という顔です。

     

     

    そこで私は、「無論この文章は分からなくてよろしい。なぜなら私だって分からないからね」と言いました。そしてやおら本人のスマホを取り出させ、では「柱状図とは」でググってご覧、と言ったのです。ご本人ググりました。「いくつか見つかりました」というから、じゃあ簡単そうなのをみてご覧、と促したのです。彼は2つほど分かりやすそうな説明サイトを読んだので、私は「さて、柱状図とはなんですか」と質問したのです。

     

    「地層を切り出したもののことなんですね」

    「そうです。では鍵層とはなんですか?」

    また彼はしばらくググりました。

    「わかりました。鍵層というのは火山の噴火や時代が特定できる化石などが含まれていて、その地層の年代を知ることができる地層のことです」。

     

     

    その通りです。今日、初診の時点ではありますが、私はあなたを軽度知的障害とは診断できません。「適応障害」なら診断してもいいですが。

     

     

    するとお母さんが困った顔をしました。

    「先生、この子は軽度知的障害と認定されていて障害者年金がおり、またこのほど障害者枠で就職が決まったんです。障がい者とは診断できないということでしょうか」と言われます。

     

     

    私も、適応障害が障がい者認定に当てはまるかどうか、その規則まではよく知りません。自動相談所に聞いてみてください、と言って一旦帰しました。後日適応障害でも障がい者認定は可能という返事がきましたけど。

     

    帰りがけ、お母さんに、さっきの問題、どのレベルだと思います?と聞いたらお母さん「大学受験ぐらいですか?」というので、違います、中学校一年生で教えることになっていますと説明したらお母さん目をまんまるくして驚いちゃった。

     

     

    ですからあなたのお子さんは、きちんとご本人に適したやり方で物事を教えてあげればきちんと理解できるはずだと私は思います。しかしこんな内容を一つのクラスに何十人も中学1年生を集めて教えたって理解できるはずがありません。つまりこの方はそういう異常な教育環境には適応できないという意味で「適応障害」とは診断できますが、「軽度知的障害」という診断は難しいと私は思いますよ。

     

     

    そう説明したらお母さん、何か長年の胸の痞が取れたような顔で帰っていきました。

  • 投稿日時:2024/03/18

    たまには気楽な思い出話を。

     

    ボルシチ。ロシア語でБорщ、ウクライナ語でборщ。Б(ベー)はб(ベー)の大文字というだけですから、要するに綴りは同じ。発音も同じです。「ボールシシ」に近い発音です。ロシア語もウクライナ語もアクセントが強いところが長く発音されるのです。


    ここに載せたのは我が家の相方特製ですが、ちゃんとビーツを使って赤色を出し、スメタナ(サワークリーム)を載せた本格的なものです。以前はクリスマスイブの夜に毎年作る習慣がありましたが、今ではもう私も相方も歳ですから、なかなかボールシシを食べるのも面倒になってしまいました。これは「少量作る」というのは難しいものです。

    ボールシシについては忘れ難い思い出があります。医学部を卒業し、医師国家試験を終えた私は、仙台からYS-11で新潟に行き、そこからアエロフロート便でハバーロフスクに飛びました。国家試験の自己採点は散々で、私は「ああ、俺はもうダメだ。いっそレニングラード(当時)音楽院に行ってあの大ホールでレニングラードフィルの演奏を聴いたら北海に身投げしよう」と思ったのです(マジです)。当時ソビエト時代はウラジオストク(Владивосток,ヴラヂヴァストーク)には外国人は入れませんでしたから、ハバーロフスクが東の玄関でした。そこで一泊し、アムール側を見てからシベリア鉄道の特急ロシア号に乗ったのです。ハバーロフスクからマスクヴァまでは6泊7日ですが、途中バイカル湖畔のイルクーツクで2泊しました。


    このシベリア鉄道の道中で忘れ難い思い出はいくつもあるのですが、その一つが車内の食事です。無論、レストランカーがあります。席に着くと、やおらボーイが分厚いメニューを持ってきます。ものすごく分厚いのです。ロシア語と英語で表記されていました。それで私はその分厚いメニューを眺めて、「これとこれをください」と言いました。そうしたらボーイの答えが「ニェーイェスチ」、ありませんです。じゃあこれをください・・・答えは同じ「ニェーイェスチ」。要するにメニューは分厚いけど、どの料理もないんです。


    私は諦めて「シトー・イェスチ?」、何があるの?と訊きました。そうしたら実際にあるものはボールシシと黒パンだけだったのです。他は全てニェーイェスチ。

    ロシア号の食堂車で出てきたボールシシはこんな色々具が入ったものではありませんでした。どういうわけか、牛肉は入っていました。それとじゃがいも。毎日毎日朝昼晩、食堂車で出て来るのはもうこれだけなんです。ある時たまりかねて「ヤー・ハチュー・オーヴァシシ」(野菜が食べたい!)と叫んだらなんとボーイが「ダー・イェスチ」(はい、ありますよ)、と答えたではありませんか。期待に胸を弾ませた私に運ばれてきたのは、ご飯。ロシアで米(リース)は野菜だというのは、確か以前書いたような気がします。


    でも実は食堂車にはボールシシと黒パンしかなくても、食べ物にはあまり困りませんでした。途中止まる駅ごとにおばちゃんたちがペリメーニ(ロシア風水餃子)やピローグ(愛称はピローシキ)を売り歩いていたからです。ついでにヴォートゥカも。

     

    ソビエトがロシアになり、ボールシシすら「ロシア料理だ」、「いや本家はウクライナだ」と争いに巻き込まれてしまいましたが、1日も早くмир(ミール)、平和が訪れて欲しいものです。

     

  • 投稿日時:2024/03/18

    ご存じの通り、あゆみ野クリニックは漢方内科があります。漢方内科があると言っても要するに医者は私一人ですから、色々な患者さんに対して私が西洋医学と漢方医学を併用して治療するのです。どういうわけか私の脳はそこがデュアルモードで働きまして、目の前の患者さんに西洋医学と漢方医学、正確に言いますと中医学(中国伝統医学)なんですが、その二つの医学が同時回転します。


    この記事を書いているのは令和6年3月18日です。3月16日、つまり一昨日の土曜日、10日に38度に発熱し、翌日11日に近医内科で検査を受けてコロナ、インフルエンザとも陰性だったという患者さんが来ました。16日に当院で検査をしたらインフルエンザBが陽性。でもそれは11日に検査した内科医院が不適切だったという事ではないです。10日は日曜日でした。患者さんは翌日月曜日にその医院を受診し、抗原定性検査でコロナもインフルエンザも陰性だったのです。だからそこでは解熱剤のカロナールだけが出されました。検査で陰性ですから、タミフルやイナビルのようなインフルエンザウィルスに対する薬は出しにくい。だからとりあえずウィルス感染症とみてカロナールのような一般的解熱鎮痛薬が処方されたのです。これは、誠に適切な対応であり、私も同じようにするでしょう。


    ところがその人の熱は下がりませんでした。カロナールを飲むと多少下がりますが、薬が切れるとまた38度近くに上がります。それでその方は16日にあゆみ野クリニックに見えました。抗原定性検査をしたら、B型インフルエンザでした。10日に発熱し、11日の他院の検査ではコロナもインフルエンザも陰性でしたが、今日当院で検査したらインフルエンザBだったということです。


    それは、そういうこともあるのです。あの検査は陽性は当てになりますが、陰性はちょいちょい外します。本当は新型コロナなんだが、あるいはインフルエンザなんだが、たまたま検査で陰性というのは、実は珍しくありません。その患者さんはその一人だったのです。


    しかし、その方が発熱したのが10日で、16日にまだ38度の熱が続くというのはあまりない話です。成人のインフルエンザで38℃以上が6日間続くというのはそうそうない現象です。


    考えた末、私はその患者さんにN95という医療従事者が付ける特殊なマスクをしていただき、院内に入れてレントゲンと採血をしました。採血は院外の発熱外来でも出来ますが、レントゲンは院内でしか出来ないからです。N95マスクというのはウィルス粒子ですら通さないという特殊なマスクで、当院で発熱外来の患者さんに対応するとき私を含めスタッフ全員がこのマスクを付けます。因みに普通のマスクは新型コロナ感染予防にはまったく無意味です・・・。


    それで結局、レントゲンの結果その人は肺炎ではありませんでした。レントゲンで肺炎ではないことが確認出来たので、私は頭を漢方に切り替えたのです。


    傷寒論(しょうかんろん)という非常に古い、いつ頃編まれたか分からないほど(伝説では後漢末、西暦2世紀頃とされます)古い中国の古代医学書に小柴胡湯(しょうさいことう)という処方が記載されています。傷寒論曰わく
    「傷寒五、六日、中風、往来寒熱、胸脇苦満、その他その他の所見があれば小柴胡湯之を主る。ただし全ての症状が揃わなくてもよい」。


    感染症を患い五,六日経って、熱が上がり下がりするときは小柴胡湯を使え、他に色々症状を伴うが、それは全て揃わなくてもよいと言うのです。この患者さんはまさにこれに当て嵌まっていたので、私は小柴胡湯を処方しました。しかし私の脳の半分が「細菌感染の可能性も考えろ」と言いましたので、採血もしました。患者さんには「もしこの採血で白血球やCRPと言った炎症反応がガバッと上がっていたらそれは細菌感染症と言うことだからペニシリンを処方します。しかし今日診察した限りでは細菌感染による肺炎などの所見はないので、まず漢方医学に従って小柴胡湯を出します。月曜日に採血結果が出ますから再来してください」と告げたのです。

    この方は今日18日に再来され、小柴胡湯を三日飲んだら熱は綺麗に下がったそうです。採血結果も問題ありませんでした。


    私の中医学・西洋医学併用療法というのはこう言うようなものです。漢方に通暁した医者は大抵こう言う診療をするのですが、「日本東洋医学会認定漢方専門医」などと言う「なんちゃって漢方医」はこう言うことが出来ません。そもそも傷寒論のような古典を読んでいませんからね、ああいう専門医は。

  • 投稿日時:2024/03/11

    JAMAにXBB1.5株に対するワクチン接種はそれほど有害事象は心配しなくても良い、という論文が載りました。

     

    XBB.1.5に対するワクチンを接種した65歳以上の集団について接種後28日以内に有害事象で入院するリスクが増えたかどうか調べたがそういうリスクは摂取しない群と比べて有意に増えてはいなかった。虚血性心疾患、脳梗塞、心筋炎などの重篤な有害事象は極めて稀であったという論文。いやしかしですねえ、XBBに対するワクチン接種が感染を有意に減らすとは考えられないし、重症化リスクをヘラと言ってもそもそもXBBは高齢者でも滅多に重症化しない。つまりワクチン接種のメリットが極めて少ないのだから、有害事象も少ないと言われても「じゃあ接種しましょう」とはならないだろ、ってのが私の意見。明らかなメリットがあるならデメリットと比較してどうかという話になるけど、そもそも臨床的に確かなメリットがはっきりしないんだからさ。

     

    Andersson NW, Thiesson EM, Hviid A. Adverse Events After XBB.1.5-Containing COVID-19 mRNA Vaccines. JAMA. Published online February 26, 2024. doi:10.1001/jama.2024.1036

  • 投稿日時:2024/03/08

    木村先生の本を外来において、こういう時一貫堂ではどう考え、どう治療するのだろうということを考えている。これまであまり使う機会が少なかった通導散などを統合失調症に用いてみたりもしている。しかし現代の診療における「攻める」という意味は、例えば傷寒論の時代の汗吐下などとは明らかに違う。

     

     

    当院には労働問題、労働環境で体調を崩している人がたくさん来る。主訴はだるい、やる気がない、朝起きられないなど「「気虚」のようだが、よくよく話を聞いていくと「夜勤が多すぎる」、「パワハラを受けている」などなど、明らかに具合が悪くなる「原因」が存在するわけだ。こういう人にいくら補う治療をしても無駄である。要するにその原因をどうにかしなければ、治療にならない。すなわち去邪しなければならないのだ。

     

     

    明らかにその職場は全く環境改善などしないだろうと考えられる人は、とりあえず1、2ヶ月休職させ、傷病手当を貰いながら次の仕事を探させる。そうして「まともな労働環境」に移してあげれば、それで治ってしまう。薬なんか要らない。

     

     

    しかしそこでつくづく思うのは、こういう患者さんをたくさん診ているが、本当に病んでいるのはこの人たちではなく、実は日本という社会だということだ。深夜勤務が辛いという人は多い。しかし例えば宅急便。なぜ生鮮食料品でもないものを、夜10時まで配達しなければならないのだろうか。コンビニ。歌舞伎町や国分町ならいざ知らず、なぜ住宅街のコンビニが深夜2時3時に営業していなければならないのだろうか。ショッピングモールのテナント。とあるテナントで働いている若い人は、夜遅くまで働くのが辛い。しかし聞いてみると、夜勤帯に来る客はせいぜい二人で、売り上げは2千円にも満たないそうだ。そうすると、その間の人件費、光熱費などを考えたら、明らかに経営としてそれは成り立っていない。経営者に夜勤帯の売り上げと経費を数字にして店長から報告させてみたらどうかと提案したが、「モールがその時間まで営業しろというから早く閉めるのは不可能だ」という。

     

     

    こういう仕事って、実は社会にとっても必要ないし、経営的にも成り立ってない。それをなぜいつまでもあっちもこっちも続けるのだろうか。それで労働者が次々病んで辞めていく。原因は分かりきっているわけだ。しかしその原因を除去できない。こういう人々にいくら漢方薬を出そうが抗うつ剤やら安定剤やらを出そうが、どうにもならん。

     

     

    みんな言われたら「それは変だ」と答えるのに、なぜ何一つ変わらないのだろうか。

  • 投稿日時:2024/03/06

    ある人が「討論は良くない。おしゃべりがいい」と書いた。しかし私はこれに、完全に反対する。全面的に、反対するのだ。

     

     

    薬剤師という職業がある。薬剤師は、疑義照会権を有する。医師の処方箋について薬剤師が疑問を感じたとき、薬剤師は医師に対して疑義照会をする権限がある。

     

     

    しかし多くの場合、薬局の薬剤師が病院の医師に対し疑義照会をしても、煩がられる。医者が処方したものに何をケチを付けるんだ、という態度を取る医者が多い。

     

     

    実は私は昔からそそっかしく、処方をしょっちゅう間違える。例えばアムロジン一錠朝夕分二なんて言う間違いを平気でやる。無論これはアムロジン一錠朝一回なのだ。どうもそそっかしくて、私はこういうミスをしばしばやってしまう。

     

     

    クリニックで働いているのは医療事務と看護師だけで、看護師は看護業務に忙しく、いちいち私の処方ミスなんか覧る暇はない。医療事務は事務職だから、医師の処方箋が間違えているどうかなんて言う判断は出来ない。だから私の処方ミスを指摘したり訂正してくれる人はクリニックにはいない。そこで唯一私のミスに気がついて指摘、訂正してくれるのが薬剤師だ。薬局から疑義照会の電話が来て、1日一錠の薬が朝夕になっていますと言われて初めて、あ、間違えた、と私が気がつく。だから薬剤師の疑義照会は重要なのだ。私ほどそそっかしくなくても、医者が人間である限り、ケアレスミスは避けられない。クリニック内部にそれをチェックする人がいない以上、薬剤師しかそれが出来る人はいない。

     

     

    しかし、こういう例はまあ、日常的な話である。私が薬剤師に要求するのは、ずっとハイレベルの話だ。

     

     

    ある内科クリニックから処方箋が廻ってくる。解熱剤、咳止めなど、風邪の治療のための処方箋と想像が付く。ところがそこにグレースビッドというニューキノロン経抗生剤が同時に処方されている。この処方箋について堂々と疑義照会出来る薬剤師がどれほどいるだろうか?

     

     

    「この処方箋にニューキノロンであるグレースビットが含まれていますが、患者さんのお話を伺うと風邪で受診されたように思われます。風邪はウィルス性疾患ですから細菌を殺す抗生物質は不要では無いでしょうか。それにグレースビッドはニューキノロンです。非常に多種多様な細菌に対して感受性を持ちますが、それ故に乱用すると多剤耐性菌を作る可能性があります。のみならず、ニューキノロンは結核菌に対して中途半端な効果があります。この患者さんは気道系感染症のようですが、結核菌に対して中途半端な効果を持つニューキノロンを処方して、万が一結核の発見を遅らせる可能性はないでしょうか」。

     

     

    このような疑義照会が出来る薬剤師がどれほどいるだろうか?薬剤師というのは、まさに薬のプロである。診断は医師の仕事だが、薬のプロは薬剤師だ。医師が出した処方箋について薬のプロとしてこのような疑義照会をしたら、逆ギレする医者は多いだろう。俺がこれでいいといっているんだから、薬剤師が何を言う!などという医者がいるであろうことは想像に難くない。その時薬剤師は、きちんと手元にデータやエビデンスを揃え、これこれのガイドラインにはとか、この英論文のデータでは、とエビデンスを示して医師に反論しなければならない。これこそ薬の専門家である薬剤師である。

     

     

    しかし一方例えば私は、このように反論することがある。この患者は発熱外来を受診し、コロナと判明したが、強い咽頭痛を訴えた。そこで咽頭を観察したら、咽頭はびらんし、かつ白苔を認めた。それでコロナはウィルス性疾患であって抗生物質は不要だが、この患者はそこに細菌性咽頭炎を合併していると診断し、それで抗生物質を処方した。なお細菌性かどうかは今日WBC, Neutro, CRPなどを採血した。採血結果は明日になるが、細菌感染症であれば1日も早く抗生物質を投与する必要があるから、上気道細菌感染に有効と考えられる抗生物質であるサワシリンを本日投与したのだ」。

     

     

    それは当然、論争になる。ディベートになる。おしゃべりじゃない。真剣な討論になるわけだ。お互いの専門性を掛けて、データやエビデンスや臨床所見をぶつけ合って討論するのだ。

     

     

    目的ははっきりしている。患者にとってベストな治療を提供する。そのことだ。しかしそれについてお互いがお互いの主張をぶつけ、真剣に討論する。只自己主張をするのではなく、客観的なデータを示して討論する。

     

     

    討論は、極めて重要であり、それを尻込みしてはいけない。

  • 投稿日時:2024/03/01

    日本は国民皆保険、つまり国民全員が公的医療保険に入っているというのが建前なのですが、実はこれがかなり崩れています。保険証がない、という人がそれなりの割合でいるのです。
     

    これまで会社勤めしていた人。何かの理由で退職した。次が見つかるまで国民保険に入ろうとしても、それまでの収入で保険料が計算されます。すると、急に退職を余儀なくされた人にとってはそれが払えません。結局無保険のまま。特に20代、30代では大病することはほとんどないので、「金ないのにそんなに高い金取られるぐらいなら保険証なんかなくたっていいや」となるわけです。
     

    のちに職が見つかって再び社保に入る時、「この国は国民皆保険だからあなたが加入していなかった時も加入しているはずだった。だからその期間の保険料を払え」といってくるのです。その間その人は保険証を持っておらず、したがって医療保険を使っていないわけですが、「入っていなくてはならなかったはずだから後からまとめて払え」になる。するとその金額がすごいことになってしまう。「こんな大金払えません」というと分割には応じてくれますが、どうしても払えないとなると差し押さえられます。
     

    あれやこれや、この国では建前と実態が恐ろしく乖離してきています。

  • 投稿日時:2024/03/01
    ビタミンB群が不足している認知症の人にアリナミン出そうとしたら薬局から「入荷見込みたちません」。花粉症でアラミスト点鼻処方しようとしたら「店にある在庫限りで、入荷見込みないです」。先日は「サワシリン、先ほどの患者さんで在庫つきました」・・・。

    医療保険で出せる薬の25%が通常出荷できない状況というのを肌でひしひしと感じます。元はと言えば保険薬価を下げに下げまくったからこうなっているわけです。日本政府は多分一般的な薬は全て保険では手に入らないようにして、それで医療費減らそうとしているのでしょう。皆さんが次の総選挙でまた自民に入れたり、支持政党がないからといって棄権すると、次々に薬が保険では手に入らなくなりますよ。
     

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