石巻あゆみ野駅前にあるあゆみ野クリニックでは漢方内科・高齢者医療・心療内科・一般内科診療を行っております。*現在訪問診療の新規受付はしておりません。
- トップ
- 院長ブログ
ブログ
-
投稿日時:2025/03/12
あっちでもこっちでも人材難です。当院もそうです。
しかしですね。
私はこれは全国的に「教育」を怠った、あるいはわざと誤魔化したツケだと思います。一切未経験、資格もない人が医療事務に応募してきたり、職場の工事現場で高い足場から転落して膝を痛めたのに病院も受診せず(当然会社も受診させていない)、従って労災認定も受けていない。「社会という仕組みを若い人々に教えないようにした方が都合が良い」と考えてやってきた結果、社会に人材がいないという、巨大な損失が生まれているのです。身から出た錆でなくてなんでしょう?
-
投稿日時:2025/03/11あゆみ野クリニックでこれ以上心療内科を続けて良いのか、今迷っている。私は、他人の人生を歩んでしまっている。来る日も来る日も、人生に追い詰めたられた人々が来る。来る日も来る日も、人生の苦しみを訴える人々が来る。絶え間なく。
最近、明らかに私の精神がおかしい。相方に当たる度合いが酷すぎる。その理由を考えていくと、結局石巻のみならず、周辺諸地域全てから集まってくる他人の人生の苦しみを毎日毎日受け止めているのが、もう私にとって限界なのだ。医者として客観的に受け止めているつもりが、実は出来ていないのだ。
私には私の苦しみがある。スタッフが急に辞めた、医療事務が揃わない、経営が、自らの老いが・・・。
そんな中で、他人の人生の、しかもそれぞれが全く違うそれぞれの人生の苦しみ悩みを抱えてくるのを、今の私はもう受け止めきれない。
看護師は看護師なりに、医療事務は医療事務なりに、それぞれの持ち場を果たしてくれる。いやそれどころか、当院のスタッフは私の気がつかないところで、それ以上の仕事ぶりを発揮してくれている。彼らがいなければ、私はもうとっくに潰れていただろう。彼らは可能な限り私一人に荷重が集中しないように私を助けてくれているのだが、しかしそれでも私は今のままでは潰れてしまうと思う。いや、私が潰れると言うより、相方を危険にさらしてしまうことを恐れる。
おそらく、ソーシャルワーカーという職種の方が一人必要なのだと思う。私個人が塵労の世の全ての苦しみを引き受けるのは無理だし、これ以上そうやってはいけないのだ。
石巻で働いてくれるソーシャルワーカーなんて人が見つかるかどうか分からないが、しかしそういう人の助け無しに、私は今の仕事を続けられないと思う。
-
投稿日時:2025/03/09当院に来て、私が漢方薬を出すと、次に受診したとき患者さんが「びっくりしました!先生から戴いた漢方薬で、本当によくなりました。これまであちこちで漢方薬を出されたけど全然効かなかったのに」
と仰ることは良くあります。そう言われたとき私は
「そうですか。それで、これまであなたに漢方薬を出した医者はこうやって脈を触れたり舌を覧たりしましたか?」
と訊きます。
「いいえ、こんなことはどの先生もやっていません」
「そうでしょう。それは、その医者は漢方医学も中医学も一切学んでいない、知らないという事です。薬というのは、その背景にある医学薬学を知らなければ、きちんと処方することは出来ません。つまり、医者でも薬剤師でもない人が出した薬と同じです。そんなの、効くわけ無いんです」
だいたいの患者は、それで納得します。
別に私は、それほどたいした漢方医ではありません。普通に漢方医学、中医学を学んだだけです。しかし、患者に薬を処方するからには医学をちゃんと学びなさい。そういうことです。
-
投稿日時:2025/03/09石巻市医師会は現在休日内科当番医制度を敷いています。4月13日の日曜日は当あゆみ野クリニックが当番医の予定でしたが、2月、3月と辞職希望者が数人出てしまい、その対応に苦慮しておりましたので院長の私から医師会に「その日の内科当番は不可能」と伝えたところ、医師会から「では4月13日の内科当番は無しとした」と連絡がありました。結局、他のどの医療機関も対応出来なかったのです。
当院の事情で4月13日の内科当番医が出来なくなったことは、石巻市民に深くお詫びいたします。しかし予期せぬ人材流出で、どうにもなりませんでした。幸い、辞意を表明した方がお一人その辞意を撤回してくださり、また多くの方々のご支援を賜って、当院は4月以降も診療継続が可能になりましたが、色々やりくりしながらの診療継続になりますので、どうしてもいきなり4月13日当番医は無理です。大変申し訳ございません。院長である私の不徳のいたすところです。
以上がお詫びですが、これから今後のことを書きます。
既に先日石巻医師会報に、石巻医師会長が「内科当番医制度はもはや限界だと斉藤市長に伝えた」と明記されたのです。
石巻では年々何件かづつクリニックが閉院していき、一方新規開院はない状態です。こういう状況下で、現在石巻市内の内科系クリニックが日曜・祝日の当番医を引き受けるのは困難だというのは客観的な事実です。
前回当院が当番医をやったのは12月29日ですが、120名以上の発熱・急患が押し寄せました。当院は、医師一名、看護師2名、事務2名です。小さなクリニックなのです。そういう所に120人以上の発熱を中心とした急患が押し寄せたのですから、当然対応しきれませんでした。朝8時前から電話が鳴り続け、診療が終わったのが夜の8時過ぎでした。私含めスタッフ全員倒れる寸前でしたが、それでグーグルコメントに書かれたのが「コロナの検査なんか15分で結果が出るのに2時間以上待たされた」という不満のコメントでした。
医師会に、この内科休日当番、いつまでやるんですかと聞いたところ、70歳までですと。
出来ません。
当院は、看護師2名、事務2名はいますが、どのみち医者は私一人です。今カルテというのは電子カルテになっていますが、そもそも端末は4台しか無く、2つが事務用、1つは看護師用、そして医師が使える端末は1つだけです。つまり、医者が足りないんだったら誰かバイトの医者を呼べと言われても、医師が使える端末は一つしかないのですから、どのみちどうにもなりません。端末一台増やせと言われましても、その莫大なコストは回収出来ませんからそんなことは出来ません。
つまり、当院はこれ以上のキャパは拡大出来ません。従って、あの12月29日の休日当番のように120人以上が押しかけたら、5時間待ち、6時間待ちになってしまうのです。
毎日100人以上を診療している内科系クリニックは珍しくありませんが、それは「お変わりないですねー、いつもの血圧のお薬出しますねー」という患者が殆どというケースです。休日当番はそうではなく、「患者全員が急患」なのです。まったく負荷が違うのです。
今後も市中のクリニックの閉院は毎年続き、新規開設はないでしょう。なぜなら石巻市の人口そのものが急速に減少しているのですから、新規開業しても全く経営の見通しは立たないからです。そういう現状では、年々減少する石巻市内の内科系クリニックが年間通して全ての日曜日、祝日、年末年始、お盆休みを当番医として引き受けるのは、間違いなく不可能です。医師会長が市長に「このやり方は今後不可能です」と告げたのは正しいのです。
内科当番医に代わる制度が必要で、かつ急務です。たとえば夜間休日医療センターで休日日中内科診療も引き受け、そこに一定年齢以下の内科開業医もローテーションに入りつつ、一部は外からバイトの医師に来て貰うなどの対策を私は提案します。
お前のせいで当番医に穴を開けたのになにをえらそうに、というご意見は甘受しますが、しかしどのみち内科当番医制度が立ちゆかなくなっていることは事実なのだから、たまたま今回私のせいで4月13日の内科当番医がなくなったことをきっかけに、どのみち取り組まなければならない「内科当番医に代わる制度」を石巻市全体が早急に「検討」ではなく「実行」していただきたいと願う次第です。
-
投稿日時:2025/03/06これは以前も書きましたが、大事なので何回も書きます。
海産物にあたった下痢嘔吐、つまり食あたりは水飲んで下痢すれば治ります。下痢止めは使うな、それだけです。
しかし、ユッケとか生焼けの肉とか、肉が原因と疑われる食あたりは要注意なのです、基本的に、ユッケのような生肉を日本人は食べてはいけません。生肉にはいくら新鮮であっても、あるいは新鮮なほど、なんらかの細菌がいます。アジア大陸や、日本でも九州の人々などは昔から馬刺し、馬のレバーの刺身などを食い、何の問題もないのですが、それは彼らが代々そう言うものを喰って、そこに存在する細菌に適切に対応する能力を進化論的に身につけているからです。そうでない土地の人が馬刺しやユッケを食べたら、ただでは済まないのです。
石巻は漁港の町ですから、土地の人は海産物は食べ慣れています。もっともいくら食べ慣れていてもアニサキスには酷い目に遭いますが、その他の「感染性胃腸炎」にはある程度対応能力があります。しかし肉の感染症には、石巻の人は極めて弱いのです。生焼けの肉を食った、焼き肉屋でユッケを食ったなんて言う人の便培養をすると、コレラとかO157のような、びっくり仰天する細菌が出てきます。だから当院は、食あたりの原因がどうも魚介類だと診たときはやりませんが、肉が疑われるときは必ず便培養をやります。便培養は、男性患者は私がやりますが、女性患者は女性看護師がやります。なぜなら患者さんに尻を出して貰い、麻酔薬のゼリーを塗った後肛門に綿棒を突っ込むからです。
そういうのは、患者もいやでしょうがこちらも敢えてやりたい検査ではありません。しかし「肉が感染源」と疑ったときは、絶対に必要な検査です。本当に、とんでもない感染源が見つかり、石巻保健所を巻き込んで大騒動になることすらあるからです。 -
投稿日時:2025/02/28今必死に人材募集をしているが、応募しようとする人が躊躇する最大の理由が当院は医師国保、国民年金だという事だ。
医師国保の負担額は社保とほぼ変わらないのだが、厚生年金から外れるというのが躊躇の理由になる。
しかし、今現役で厚生年金を負担している人が年金受給年齢に達したとき、はたしてこの国の年金制度ってあるんですかと私は問いたい。
私個人は、去年60歳になったときから年給受給を請求した。65歳から受給するよりこんなに年金額が減りますと年金事務所の窓口職員に言われたが、
「いや、そういう架空の計算に興味はありません。私はそもそも、今から5年後に日本の年金制度が存続しているかどうか、極めて疑わしいと思っていますから、取り返せるうちに取り返せる分を取り返すんです」と言い放ったら窓口職員はパッと態度を変えて、さっさと私の年金受給の手続きをしてくれた。
簡単に言うと、65歳から受給すれば15万になるはずの年金を60歳から受給したから月10万に下がったのだが、そういう計算はそもそも五年後この国の年金制度、存続してるんですか?形の上で存続していても、年金受給年齢は確実にさらに繰り上げられますよね?という主張の前には無意味だ、と言うことだ。
およそ今働いて年金を払っている人々は、将来確実に損するんだから、年金が厚生年金なんて言うのは、負担額だけ多くて損するだけです。日本国そのものの存続すら危ぶまれる今、年金制度があなたが今の受給年齢、つまりあなたが65歳になったときどうなるかなんか、全く信用出来ない。
だからこそ当院は国民年金にして、厚生年金職場負担分は「今の給与」にしている。全く当てにならない厚生年金を本人も当院も負担するより、その分国民年金にして、「盗み取られる金」を最小限にし、その分は給与を高くするからそれで将来設計をしてくださいね、と言うのが私の考え方なのだ。
重ねて言うが、厚生年金が国民年金よりも得だというのは、今の日本国というシステム、あるいは日本国の厚生年金というシステムがあなたが年金を貰う年齢になったときに今のまま存在すると仮定しての話だが、これほど急激に少子高齢化が進行するなかで、そんなことはあり得ないんです。だから「厚生年金」に加入して国に余計な年金を払うのは、今の現役世代にとっては完全に無駄です。
公的年金ってのは、国が経済成長する中では辻褄が合いますが、今のように少子高齢化と人口減少が進む日本社会では、確実に払う人が損するのです。
-
投稿日時:2025/02/26
漢方は長く飲むとじんわり効くものだが副作用は少ないというのは
「完全に間違っています」。
皆さん、風邪の時葛根湯を飲んだことはあるでしょう?風邪に葛根湯を飲んで、「長く飲むと1ヶ月もしたら風邪は治ります」ってナンセンスですよね?
そもそも中国伝統医学で使われる生薬は、西洋ハーブより遙かに効果も毒性も強いのです。それは元々中国伝統医学の始まりが強毒性の疫病に対する戦いとして始まったからです。「傷寒(しょうかん)」が今ではどの様な病原体による感染症であったかは分かりませんが、傷寒論の原著者とされている張仲景はその序文に、
「私の親族は元々200人以上いたのに、ある年以降10年で2/3が死に、その死因の7割は傷寒だった」と書いています。凄まじい感染症だったようです。こう言うものを相手にしながら成長してきたのが中国伝統医学ですから、もともと「生活改善」だのと言うのとは違うのです。
目の前で凄まじい感染症で人がバタバタと死んでいく状況の中でそれをどうにかしようというのですから、治療はまさに「のるかそるか」なのです。猛毒の生薬を思いっきり大量に使い、これで助けられるか、駄目なら死ぬか、という話だったのです。
現在の日本の漢方薬エキスは、傷寒論など原典の生薬の量を極端に減らし、副作用を減らすかわりそんな致死的な感染症には到底対応出来ません。要するに、「お子様ランチ」にしたものです。
お子様ランチで治せるのはせいぜい風邪程度です。マジで重病に漢方で相対すると言うときは、原典の量を参考にして、薬害を覚悟しつつ思い切って大量を短期間使う。つまり今の肺炎に対する抗生物質と同じような発想で使うのです。
漢方薬は自然の生薬だから、効果は弱く作用が出るのは長時間かかるというイメージは、
「完全に間違っています」。 -
投稿日時:2025/02/24「I have a dream」
今、あゆみ野クリニックは存亡の危機にある。すなわち、4人の従業員の内3人が2月ないし3月で辞める。今現在で補充の見通しは全く立っていない。
もしこのまま人員補充が出来なければ、あゆみ野クリニックは3月末で閉じるしかない。
しかし私はこういう危機の中でも、希望を持っている。
I have a dream.
有名な言葉だ。どんな苦難の時でも、希望を捨ててはならない。I have a dream.
以下に募集のあらましを述べる。
当院は現在、医療事務2名、看護師1名を募集しております。常勤・パートどちらでも結構です。給与は常勤看護師が月額額面28万から30万、常勤医療事務月額額面25万から27万程度(どちらも経験などで異なります)と、石巻方面ではかなり頑張って高く設定しています。去年の賞与実績は基本給4ヶ月分でした(なお賞与額はクリニックの経営状況で変動します)。またパートはどちらも経験実績に応じて時給1200円から1400円の間で、こちらもかなり高くなっております。駐車場あり、通勤費は宮城県内実費です。ご興味がある方は「お問い合わせ」からご連絡願います。是非応募をお待ちしております。
詳細は、当院HPのお問い合わせにご連絡戴きたい。HPは下記に記す。私と、地域医療の夢を共にして下さる方に、是非ご応募いただきたい。
https://www.ayumino-clinic.com/ -
投稿日時:2025/02/24
心筋梗塞って、胸が痛くなると思っている人がいませんか?
それは違います。
例えば歯が痛いと言って、歯医者に行く心筋梗塞の患者がいます。歯医者はそういう患者があり得るという事は知っているが、しかし歯科医院に心電図はありません。胃が痛い人は消化器科に行くし、肩が痛い人は整形外科に行くし、頭が痛い人は脳神経外科に行くでしょう。当然、あゆみ野クリニックに「なんだか分からないけれども胸がモヤモヤする」と言ってくる人もいます。
心筋梗塞は即座に命に関わるのだから、全ての診療科が必ず念頭に置かなければいけません。また患者も「自分は歯が痛いのに、肩が痛いのに、胃が痛いのに、なんでこの医者は心電図を撮るんだ?」などと言う不平を言ってはいけない。さすがに歯科医院に心電図はないが、他のあらゆる診療科に心電図を撮る装置はあるのだから、患者は医者が「その痛みについて調べるために心電図を撮る」取ったときは、絶対に拒否しないこと。なぜならその医者は「まっとう」なんだから。 -
投稿日時:2025/02/19
今回、医療事務を急募している。しかしある方から、「あなたのFBや院長ブログは相当知られていて、その内容からすると人を紹介することは出来ない」と言われた。
それは、仕方が無い。
今更慌ててFBを閉じたり院長ブログを辞めたところで、どうにもなるものではない。私がどういう人間で、なにを目標にこの老骨に鞭打って石巻でしょぼいクリニックを続けているのか。
それを毎回私は書いている。
石巻だって日本の一部なんだ。と言うことは、日本の法律、労働基準法とか刑法が石巻でも適応されるのだ。それによって保証される労働者の権利は、断じて石巻においても保証されなければならない、等々。
まあ還暦過ぎた爺さんがなにをいきんでいるかと言われたらそれまでだが、しかし私はそこに拘っている。
勤労条件として、給料面では他に全く遜色はないばかりか、石巻の医療機関ではもっとも有利だ。しかし時として急患が終わり近くなって飛び込むことはあり、1ヶ月に平均して4時間程度、残業が発生する。また、石巻医師会から科される3,4ヶ月に一回ある休日当番は激務だが、これはどうかお願いしたい。その代わり、休日当番に関しては通常の時間外勤務とはかけ離れた給与を払う。
当院の引け目は、今のところまだ軽々規模からして厚生年金、社会保険ではないという事だ。医師国保は社会保険と負担はほぼ同じだからその点はご心配しなくて良いのだが、厚生年金でなくなることはご心配だと思う。しかしいったいこの国の年金制度が、あなたが年金受給者になるときまで継続されるだろうか?極めて疑わしい。だから当院は、法人化が必要になり、強制的に社保、厚生年金が義務づけされるまでは、それには加入せず、それに見合う給与をお支払いする。先々全く信用出来ない年金の代わりに、今給与として実際にお金を支払うから、老後のことはそれを原資に各自で工夫していただきたい。
どうか興味のある方は、是非私まで直接メッセージを下さい。心を一つに出来る方と、是非一緒に地域医療を切り開いていきたいのです。